『project raputa』開発秘話・大公開!!
2023年12月9日(土)から開催された、『sasakure.UKちほー』。
通常のコラボイベントと思いきや、開催当日になって明かされた『TJ.hangneilちほー』の同時開催。
さらにサプライズで開催された、楽曲解禁イベント『project raputa』。
maimaiで謎解きを行うという前代未聞のイベント『project raputa』はどのようにして作られたのか。
今回のイベントの謎を制作した方々に、その開発秘話をお聞きしました!
──今年入社した新人の「まぐランド」です。
本日はproject raputaの中心人物・「あまくちジンジャー」さんと「佑」さんに、project raputaについてお聞きしようと思い、集まっていただきました。
では、あまくちジンジャーさんと佑さん、自己紹介をお願いします。
あまくちジンジャー
maimaiチーム メインプランナーのあまくちジンジャーです。
maimaiのバージョンアップごとの新しい仕様を考えたりする人です、譜面もたまに作ります。
今回の project raputaでは、企画の原案と筐体側の実装仕様を担当しました。
よろしくお願いします。
佑
プロデューサーの佑です。
maimaiのお金周りのことを担当しています。
今回は あまくちジンジャーに巻き込まれて謎を作りました。
あと、『raputa』のEXPERT譜面を作りました。
よろしくお願いします。
最初は『project Apollo』の予定だった
──まず、今までにあまりないイベントということで非常に盛り上がっていましたが、企画の発端はどのようなことなのでしょうか。
あまくちジンジャー
2022年2月、初めて7sRefちほーが出たときに、『ヨミビトシラズ』という曲がエンディング楽曲として実装されました。
その時は新しいちほーのお披露目ということもあり、事前告知なしでのサプライズ実装だったのですが、ムービーの特別感(意味深な文字列が映っているなど)も相まって 「これはまだ何かあるんじゃないか」と宝探しが始まって。
結果として何もなかったので、それ自体「もったいないな」という気持ちがありました。
それを軽い気持ちで社内チャットで呟いてみたところ思ったより話が盛り上がりまして、それが発端でしたね。
あまくちジンジャー
それからだいたい2~3か月後に僕が原案を書類にまとめて、佑くんに持って行きました。 「Apollo召喚の儀.pdf」っていう怪文書を。
佑
あの怪文書ね(笑)。だから 最初はproject raputaじゃなくてproject Apolloだったよね。
あまくちジンジャー
開発内でも「アポロ計画」って呼んでましたね。いつもと違うイベントを行う以上、最後に手に入る楽曲はそれだけの期待に応えられる特別な曲が良いと思い、もともとは『Apollo』が最終ボスとして出てくるイベントとして設計していたんです。
佑
『Apollo』がオンゲキの大切なボス曲であることは僕らも理解していました。
でも、やはりmaimaiでも遊びたい。であれば、こういう特別なイベントをやって移植するくらいのお迎えをしなきゃいけないんじゃないかという考えで、最初は制作していました。
あまくちジンジャー
なので、 もともとオンゲキちほーで行うつもりだったんです。
オンゲキちほーの最後に不思議なコレクションが置いてあって、そこから謎解きが始まる予定でした。
ところが、この怪文書を作っていた2022年5月に、 sasakure.UKさんの楽曲『月面基地』がMV付きで公開され、「これだ!」となりまして。
佑
僕らが考えてること、sasakure.UKさんが知ってるんじゃないかっていうくらいタイミングが良かった。
あまくちジンジャー
そこでちょっと路線変更をして、 sasakure.UKさんと、sasakure.UKさんのご友人のTJ.hangneilさん、このお二人とコラボしてやってみようという話になりました。
なので、計画自体は2年弱くらい前から始まっていたことになります。
『raputa』は、逆提案から生まれた
──sasakure.UKさんにこの話を持っていったときの、反応など聞かせていただきたいです。
佑
まず「Apollo召喚の儀.pdf」を、取引先にもお見せできるように整えて。
あまくちジンジャー
整ってたかなぁ。
一同
(笑)
佑
それをsasakure.UKさんにお出しして、「こういうことやろうと思ってるんです」とお伺いを立てたところ、sasakure.UKさんも謎解きがお好きだったらしく、すごく反応がよかったんです。
さらには 「ラスボスを『Apollo』として、今回のイベントのエピローグに当たるようなsasakure.UK × TJ.hangneilの書き下ろし曲を1曲作るのはどうでしょう」と逆提案を受けました。僕らとしてもこのイベントの先に『Apollo』と新曲があれば、より盛り上がるだろうと思いました。
あまくちジンジャー
新曲あったらね、より嬉しいですからね。
佑
「ぜひ!」ということで、やらせていただくことになりました。project Apolloがproject raputaに変わるきっかけでしたね。
その後、新曲のラフが届き、さっそく聞いてみたところ…「ボスじゃね?」「これはボス」「さすがsasakure.UKさん。これはボスだ」って。ラフの段階からそれくらい強かった。
なので「エピローグじゃなく、ラスボスとしてお迎えしよう」という話になりました。
とはいえ、やはり『Apollo』のボスとしての格は落としたくない。
そこで 「どっちもパーフェクトチャレンジにしよう」と、Jackさんが提案してくれて、その通りになりました。
なので「パフェチャレ2回はしんどい」的な文句はJackさんに言ってください。
──まさかの最難関の2つがどちらもパーフェクトチャレンジになってしまうという。
あまくちジンジャー
どうしても『Apollo』が前座のように見えてしまうので、『Apollo』の格は落とさず、表ボス的な形で君臨させるバランスだと、この形になるのが自然な流れではありました。
──1日に3つパーフェクトチャレンジが来るのは、11年の運営で初の出来事だったとの声もありますが。
あまくちジンジャー
『神威』をパフェチャレにしようって言ったのもJackさんだから。
佑
Jackさんが悪い。僕らは悪くない。
一同
(笑)
数分で完成し、チーム総出で演出した、動画の謎
──せっかくなのでここで、今回の謎を最初から振り返りながら、制作の裏話を聞かせてください。
佑
まずsasakure.UKちほーを完走すると、隠しちほーであるTJ.hangneilちほーが遊べるようになります。その奥にある『神威』のパーフェクトチャレンジを突破すると、称号『#project_raputa』がもらえます。これをX(Twitter)のハッシュタグとして検索すると、最初の謎がヒットします。
あまくちジンジャー
実はこのイベントで一番気を遣ったのがこの称号かもしれません。小さな違和感を辿った先で日常が非日常へと裏返る、その瞬間の驚きを大事にしたかったので、最初の入り口をどのようにカモフラージュするかは重要なポイントでした。
佑
「最初にハッシュタグを置く」という構造が、結果的にいろんな問題を解決してくれています。
ハッシュタグって、見ただけで「なんかハッシュタグ付いてるぞ」ってすぐわかるから、「じゃあこれをSNSで検索してみよう」と、その後のアクションの起こし方が簡単で、すぐにできる。その結果として何かに行きつくという流れが作りやすかった。それに加えて、以降の謎解きの情報共有としてこのタグを使ってもらえる。
最初にハッシュタグを持ってくることによって、そういういろんな流れを一気に作り出すことができました。
あまくちジンジャー
maimaiに称号があってよかったねぇ。
佑
本当に助かった。
──そして、まず行きつくのが動画の謎でした。
あまくちジンジャー
この謎を作ったのは佑さんですね。
佑
作ったは作ったんだけど、なんでこれを作ったんだっけな。どんな経緯だっけ?
あまくちジンジャー
一度チュウニズムチームにテストプレイをしてもらった時に、プレイヤーそれぞれが個別に解読を進めて情報共有が進まなさそうだったので「プレイヤーをX(Twitter)に誘導するステップを設けたいね」という話になり、Xで出題する謎を1個作ろう、と。
佑
それで「ハッシュタグを検索した先に置く謎を用意しよう」となったのか。
あまくちジンジャー
テストプレイの段階では、謎はmaimai筐体の中で完結する構造になっていたので、それ以外のところに仕掛けたい考えもあったね。
佑
筐体以外に謎を仕込むのであれば、「maimaiだけど筐体じゃない」ところに謎を仕掛けたいなぁ、と。そこで考え付いたのがシリアルコード。謎を解いたら20桁の数字が突然出てくる。それがシリアルコードであることに気が付き、入力してみると何かがもらえる。これは面白そうだと思い、謎を考えはじめました。
で、考えはじめたら数分で出来ました。
まず「sasakureuk」は10文字、「tjhangneil」も10文字、あわせて20文字だと気づいて、これをうまいこと数字に変換できれば成立しそうだぞ、と。
そして 数字に変換する方法を考えて謎を作るべくパソコンに向かったら、そこにキーボードがあった。
あまくちジンジャー
パソコンで仕事していてよかったねぇ。
佑
で、「sasakure.UK TJ.hangneil」って並べて、矢印書いた謎をあまくちに見せたら…。
あまくちジンジャー
「いいじゃん、真ん中に掛け算おこうよ」って言いました。
佑
確かに、『raputa』のアーティスト表記も「sasakure.UK×TJ.hangneil」なので伏線にもなって綺麗だし、桁数もちょうど20桁になる。それでいきましょうとなりました。 トータル2,3分でできた謎です。
あまくちジンジャー
割と奇跡系の謎ですね。
佑
奇跡拾ったね。
あまくちジンジャー
シリアルコードがちょうど20桁でよかったねぇ。
佑
そしてこの謎を、せっかくだしワクワクさせる動画にしましょうと、群青リコリスさんをお呼びしました。そうしたら、イイ感じに不穏な、最高にワクワクする動画があがってきました。キーボードの効果音をつけてくれたサウンドさんも乗り気で、最後のエンターキーだけエコーがかけてくれて、「カッコいいじゃん!」と。
──maimaiチームのいろんな方が協力してくれてクオリティの高いものになったと。
佑
その通りです。 ありがとう群青リコリスさん、サウンドさん。
──そしてこの謎を解き明かし、シリアルコードを入力するとアイコン「旅行スタンプ(月面基地)」が獲得できます。
あまくちジンジャー
で、旅行スタンプをセットしてプレイしても、何も起きない。
一同
(笑)
佑
そうね、もう1つ謎があるからね。
謎解きプレイヤーだけでなく、
maimaiプレイヤーも活躍できる謎をつくる
──それが次の点字謎ですね。
佑
これの原案はあまくちくんでしたね。
あまくちジンジャー
原案書に「コレクションの所にモールス仕込む」とか書いてた…かも。
今回の謎解きを作るにあたって、「謎解きが得意な人ばかりすぐに解けてしまう」懸念がありました。ありきたりな暗号を仕掛けても、解ける人がすごいスピードで解き進めて、他の人はただ眺めるだけになってしまうだろうなと。
なので、 “maimaiを遊んでいないと気付けない謎”を用意して、いろんなプレイヤーに活躍の場を用意したいと考えました。「自分が解けたかもしれない」って多くの人に思ってもらえた方が嬉しいですし。
実は1問目の動画謎もヒントのつもりだったんですけど。
佑
「sasakure.UK×TJ.hangneil」だから、sasakure.UKさんのロゴが唯一入っているネームプレートとTJ.hangneilさんのロゴが唯一入っているフレームを掛け合わせると…。
あまくちジンジャー
ちょうど上の方に点字が出てきますと。さすがに拾われませんでしたね。
──このネームプレートはsasakure.UKちほー告知で既に出ていて、謎の点々は最初から見えていたので、怪しまれないか不安でしたが…。
あまくちジンジャー
なーんにも怪しまれなかった。
佑
誰かに気づかれそうと思ってたけど。
あまくちジンジャー
みんな『トンデモワンダーズ』に夢中だった。
佑
やっぱり『トンデモワンダーズ』は強かった。
──そしてこれを解き明かすと 「39339COMBO」と読める。
佑
『39』を339コンボすればいいと。
──sasakure.UKさんとDECO*27さんのコラボ楽曲なので、そこに紐づいているわけですね。
佑
うっかり『39』をプレイしてうっかり339コンボにならないように、『39』はあえてちほーボーナス曲からも除外しています。
でもこの施策のおかげで、『39』のプレイ回数がめちゃくちゃ増えていました。
神曲なので、みんな聴きましょう。
──そして『39』339COMBOをすると宇宙旅行券がもらえて、
──旅行スタンプと両方セットすると…。
佑
これで、月面ちほーが解禁と。
あまくちジンジャー
せっかく『ちほー』ってシステムがあるんだから、やっぱり月まで行きたいよね。
佑
『月面基地』のMVに登場する特徴的なロゴも使わせていただき、「これで月に行くんだ!」とワクワク感を出せるようしました。
──そして、月面ちほーを進んでいくと。
佑
まだ終わらないよね(笑)
──『月面基地』をクリアして、謎の称号が…。
あまくちジンジャー
称号たくさん。
佑
我々、称号に味を占めた。
最初からあった、最後の謎
──そしてここでまた謎解きが始まります。
──この5×5の穴に称号を当てはめることに気づかれるのは、結構早かった気がします。
佑
早かったなぁ。
あまくちジンジャー
あの穴が見える時間ほとんどないのに、すごい。
佑
そう、旅行スタンプがセットされて隠れてしまうから、この5×5の穴はみんな見る機会ないまま忘れるだろって思っていたら、みんな思ったより覚えていた(笑)。
──今まで使ったものをもう一度使うのは、謎解きではよくあるギミックですね。
佑
一度使ったものをもう一度使うの大好きで謎解きやってますから。
あまくちジンジャー
そうそう。
佑
BREAK THE MOON BASE WITH B.E.A.M. これが、最後の謎になります。
「B.E.A.M.」は、最初の怪文書から既にあったアイデアです。
あまくちジンジャー
むしろ最初はこの問題しかなかったような?
──最初にできた謎であると。
あまくちジンジャー
そうです。
佑
僕自身、怪文書を受け取ったタイミングが繁忙期だったので、今回の施策にどこまで関わるか決めかねていました。
しかし読んでみたら「maimaiの難易度の頭文字取ったらBEAMになる」アイデアが載っていて、「それは面白い!」と。がっつり協力することを決めたのは、このアイデアが面白かったからです。
──僕もできたものをチェックで見たタイミングで、すごい面白いなと。そういう使いかたがあったかー!と思いました。
佑
これ、なんで思いついたの?
あまくちジンジャー
なんでだろうね?
こういったユーザー全体で協力する謎解きを行うにあたって、「なるほど!」とヒラメキを生むために、「解けすぎる人が解いておしまい」になるよりも、「もしかしたら自分でもできたかも」という感情をいろんな人に持ってほしくはありました。
そこで、 みんなが知ってる情報、当たり前のように目にしているけど、普段は気にも留めないような要素を1つ使いたいなという考えがありました。そこで今回注目したのは難易度だったと。
今回の施策は、問題の答えをどこかに入力したりするのではなく、実際のゲームプレイの結果によってコレクションが手に入ったり先に進めるようになる方法を取ろうとは思っていたので、そういう意味でも難易度に注目したっていうのはそんなに変な話ではないですね。
で、難易度をじーっと眺めていたらbeamが作れて、やったーと。
佑
オンゲキにもビームのギミックがあるので、そういう裏のつながり的にもきれいだなと思いました。
あまくちジンジャー
テストプレイの時にチュウニズムちほー2のネームプレートで月面基地のアイコンを破壊しようとしたのは面白かったなぁ。
佑
ありましたね。チュウニペンギンとショウニペンギンがビームを出しながら戦ってるネームプレートがあるんですけど、それがたまたま月面基地を破壊しているように見えるっていう。
あの別解どうしようもなかったな。さすがに違うの分かってくれって。
ここまでこんなにシリアスに謎解き作って、オチがそれなわけねぇだろ。
一同
(笑)
佑
話を最後の謎に戻すと、実はもともとはBREAKじゃなくて、DON’T BREAKでした。
あまくちジンジャー
DON’T BREAKにして、maimaiが苦手な人でもクリアできるようにしようという配慮ですね。
佑
そう、「DON’T BREAK=BREAKノーツを取らない」を拡大解釈して、全ミスでもOKという逃げ道を、謎解き的に作っておいたけれど…。
あまくちジンジャー
いわゆる「捨てゲー」に見えちゃうからよくないと、ごもっともな意見が上がり、BREAKノーツだけ取ってね、という形に落ち着きました。
──その意見もJackさんが?
佑
これもJackさんです。結果的に、緊張感をもった新しい遊びが生まれたのでよかったです。
あまくちジンジャー
ところで佑さんは(『月面基地』のBREAKノーツだけ取るのに)何回トライしましたか?
佑
え?
あまくちジンジャー
何回目で成功しましたか?
佑
…3回目ですけど。
EXPERT譜面でEACHノーツの片方だけBREAK置いた鳩ホルダーは、一生許さないです。
──鳩ホルダーさんは「BREAKは3番ボタンだけに置いてわかりやすくしたから許してくれ」と言ってますが。
佑
鳩ホルダーを許すことは一生ありません。
──自分もこのチェックに関わりましたが、MASTER最後のスライドをうっかり取ってしまって…なんという罠を仕掛けてくれたんだと思ってましたね。
佑
あのスライドは始点だけBREAKで、スライドそのものは違います。でも勢いでスライドも取ってしまう罠です。鳩ホルダーと(MASTER譜面を作った)アマリリスは許されざる存在ですね。
──こうしてアイコンが手に入って、それをセットすると、裏 月面ちほーに飛び出すと。
佑
このアイコンの模様は、『Apollo』のMVに登場するものですね。『Apollo』登場確定演出。
──そして、『Apollo』で終わりかと思いきや。
佑
「 こ ん に ち は 」、と。2連続でパーフェクトチャレンジ。
あまくちジンジャー
謎解きなんて知るか!! くらえ!!!
佑
何度でも言いますよ、悪いのはJackさん。
あまくちジンジャー
謎解き挟まず2連戦にしたおかげで、みんなでランカーの挑戦を見守る流れになったのは良かったですね。
佑
そう、ありがたいことに『raputa』のパーフェクトチャレンジにたどり着いた方々が生配信をやってくれたので、みんなで見る流れになっていった。
あまくちジンジャー
結構な数の視聴者が集まっていましたね。
──盛り上がっていましたね。
あまくちジンジャー
ちゃんと盛り上がってよかったねぇ。
佑
僕らも見ていました。
チーム総出で見守った
project raputa
──そのあたりちょっと聞いていきたいです。当日の運営側の動きっていうのはどういった感じだったんでしょうか。
佑
当日はまず、『神威』のパーフェクトチャレンジが突破されないとハッシュタグが出てこないので、 『神威』を突破できる実力者たちの様子をめちゃくちゃ見てましたね。
でも突破されるまで早かったよね。
あまくちジンジャー
そうだね。開始が10時で、『神威』突破が11:03です。みんな上手。
佑
ちょうど1時間くらいでハッシュタグが公開になって、そこから「おや?」と思った人たちが、だんだん「#project_raputa」のハッシュタグとアカウントに気づき始めました。
あまくちジンジャー
ただ、 思いのほかあの動画が謎だと思われなかったみたいで。
佑
綺麗に隠しすぎたのかもしれないね。ボス曲登場の予告っぽく見えちゃったというか。
こういうのがやがて来るよっていうのに見ちゃった方が結構いて。
──確かに、予告っぽいなー、今後追加かなーという意見が大多数を占めていました。
あまくちジンジャー
逆によかったですね。1人だけ気づいて解読を進めてくれた方がいたので。
佑
「誰も気づいてくれないな」と思っていたところに、ポンっと「なんか気づいたかも!」という孤独な勇者が現れ、最初のアイコンの獲得方法をシェアしてくれました。
そうしたら今度は、このアイコンを持った状態で2日後、12月11日を待てば来るんじゃないかという流れになってしまった。12月11日が実際の月面着陸の日だったので、その日に何かが起きそう、という予想が主でしたね。
──これは運営としては焦りとかあったんですか?
佑
焦りは、ちょっとだけあった。
あまくちジンジャー
次に解くべき点字の謎は、動画の謎とは方向性が違います。まず謎の存在を見つけ出す必要があるものなので、時間はかかるだろうなとは思っていました。とはいえ、11日を待つ流れになって「謎を解くぞ」という勢いが止まってしまうことは避けたかったので、少しだけ助け舟を出しました。
──このポストですね。
佑
「謎はまだあるから頑張って探してね」と促すために、「スタンプは見つかったけどチケットはまだあるよ」と。しかし、そこで助け舟を出したらあとはもうスルスルッと解かれていった。
あまくちジンジャー
それ以降はほんとにすごいスピードで。
佑
我々の出る幕はなかったね。あとは、解読のキーポイントになったポストをリポストして、状況を追いやすくするくらい。
あまくちジンジャー
サプライズで始めたイベントなので、後から知った人が追い付きやすくなるようにリポストしていったものですね。あとはシンプルに 「解けて偉いから褒めていこう!」って。
それから、プレイヤーの方たちが自主的に「#project_raputa」のハッシュタグを使って情報共有を進めてくれたのもありがたかったですね。
佑
本当にありがたかったです。
──最初は個々のアカウントで情報をポストされているだけだったので、全体の流れを追うのは難しかったですね。
佑
それを「せっかくタグあるなら、これ使ってみんなで情報共有しようぜ」という流れにしてくれたのは、こちらの意図通りではありましたが、それをみんなに呼び掛けてみんなで使ってくれたのは、非常にいい流れでした。
あまくちジンジャー
途中までソワソワしてたからね。
佑
「みんなタグ使ってくれー」と思ってたから。
幸か不幸かみんながハッシュタグを使うことを覚えたおかげで(12月14日に始まった)CHUNITHMの隠しイベントが、一瞬で終わっちゃったのですが。
あまくちジンジャー
しょうがないよね。
佑
プレイヤーのみんなが強すぎる。
──そしてどんどん謎が解かれて、裏 月面ちほーに行き、ここでproject raputaがshow me your perfectをなぜか2度繰り返す。
佑
2回あるからね。
──そして『Apollo』のパーフェクトチャレンジを突破すると、大ボス『raputa』が登場。
佑
パーフェクトチャレンジのオーラと、『raputa』のジャケットの赤い感じが見事にマッチしてとてもいい。
──絶望感すごいですね。ボスのボス、真のボスが登場したという感じがします。
佑
ジャケット以外に、音にも注目ですね。
maimaiに限らず音ゲーの選曲中って、カーソルがあっている曲のサビがよく流れています。僕らが「プレビュー」と呼んでいる音です。 『raputa』は最初の動画謎でイントロを流しているので、プレビューもサビじゃなくてイントロにしたんですよ。「あの動画で流れた曲、いよいよお出ししますよ。さあ頑張ってね」って。
──動画の伏線回収ですね。
佑
プレビュー提案ははっぴーちゃんがしてくれました。なのでこれからずっと、イントロの「あ~~~~~~」を聞き続けることになりますね。
──そして『raputa』が突破され、称号「project raputa completed」を獲得。お疲れ様でしたという感じで幕引きでした。
佑
最後、生配信をみんなが見守る中で突破してくれて、本当に盛り上がった。
あまくちジンジャー
11時間…半日で終わっちゃいました。
──運営側としてはどのくらい時間かかるか、想定があったりしたんですか?
あまくちジンジャー
実はこのイベントの直前に譜面班みんなで「何時間で月に行けるかな予想ダービー」を開催していたんですが、 謎解き自体は当日中に終わる予想が大半でした。
ただ、高難易度のパーフェクトチャレンジが2つも連続しているので、さすがに完全制覇は翌日になるだろうなと。 当日にすべて終わると予想したのは、はっぴーちゃんだけでした。
なので謎解き自体は想定通りに進んだものの、プレイヤーの腕前が想像以上に進化していると思い知らされる結果になりました。
佑
予想ダービーは、はっぴーちゃんだけが1日で終わる、大半が2日目で終わる予想の中、「この謎難しいから解かれないでしょ」って唯一ニヤニヤしてたアマリリスさんは、後日ごめんなさいしてました。
──アマリリスさんはどれぐらいの予想でした?
佑
火曜日に終わる予想でした。
一同
(笑)
──最後のパーフェクトチャレンジ以外はほぼ想定通りの進行だったということですね。
あまくちジンジャー
ちょっとずつヒントは出すことになるだろうなとは思っていたんですが、毎回とてもいいタイミングで謎を解き明かす勇者が現れていったので、当日僕らはほぼ見守るだけでしたね。
佑
点字謎は「ここまでもう見つからないとなると、ヒント出しますか」という空気を感じつつあったところで、どういうヒントを出そうか、相談しようとしていました。
で、じゃあ ちょっとヒント考えようかっていうタイミングで、「点字だったりしませんかね」のポストが。
あまくちジンジャー
もう大盛り上がりよね。
佑
開発みんなでXを見回っている中、Luxizhelさんがふと「あ、点字って言ってる人いる」と言ったら全員がバッと立ち上がって、誰だ誰だ誰だって。
──運営側も盛り上がっていた。
佑
解いてくれてよかった、安心したし、進んでくれてよかった。結果的にノーヒント、僕らがヒントを出す機会はなかったですね。
質問コーナー
──ここからはみなさんから来ている質問などを入れていきたいと思います。
──Q.今後もこういったイベントを行うことはありますか?
あまくちジンジャー
当たり前ですけど、そんなにポンポンとはできないんですよね。
佑
だから、みんなが忘れたころにまたやれるといいね、みんな早く忘れろ。
あまくちジンジャー
そもそもこういうイベントって、定期的にやるとそれはそれで面白くなくて。 ちゃんとサプライズでやることに意味があるので、サプライズになるように記憶を消しておいてください。
佑
早く忘れなさい。project raputaって誰かがポストするたびに5年遅れると思いなさい。
──Q.『Apollo』MASTER譜面のノーツデザイナー・EL DiABLOはどなたでしょうか?
あまくちジンジャー
ぼくです。
実はmaimai10周年サイトのコメントでボス名義について触れており、その時から『Apollo』は是非作らせてもらおうと決めていたんですが、お披露目までかなり時間がかかっちゃいました。けれどたくさんの時間をかけた分だけ、いろいろな表現だったり悪いことをしているので、じっくり味わってみてください。
佑
『Apollo』MASTER譜面の2段ロケットスライド、すごい好きです。
あまくちジンジャー
難易度的な見せ場は『raputa』に取っておきたかったので、『Apollo』では代わりに原曲の世界観を踏襲した要素をたくさん入れています。
最後のスライドが2本重なっているトラップは、 悪気があってやったわけでなくて、月の表と裏を表現しているだけなので許してください。
──Q.どうして『raputa』はレベル15にしなかったのですか?
佑
その話あったよ。レベル15目指して譜面作るかって話。
あまくちジンジャー
一瞬、そうしそうになった。
佑
けど僕らが 「この謎解きは1日で突破されちゃうので、それでレベル15は背負えないです」と止めました。
maimaiにとってレベル15は重要な意味を持つことは僕らも若手ながらも理解しているつもりなので。
結果的にすごく盛り上がったのはありがたいんですけど、当時はここまでの盛り上がりになると思ってなかったのもあり、15は背負えないなぁと主張しました。
──レベル15は特別なものということで、「PANDORA BOXXX 2まだですか」っていう声が上がってるんですが…。
佑
Jackさんに言ってください。
一同
(笑)
最後に
──では最後に、これを読んでいる方々に向けてひとことお願いします。
佑
まずはお読みいただき、ありがとうございます。
project raputaは、あまくちくんと僕がたまたま謎を作れるし、やってみようという、結構チャレンジングな企画でした。あそこまで盛り上げていただいたことにも、重ねて感謝申し上げます。
先ほども言いましたが、みなさんが忘れたころに僕たちはまた這い上がってくるので早く忘れてください。ありがとうございました。
あまくちジンジャー
突如として始まった月面旅行でしたが楽しんでいただけましたでしょうか。
僕自身maimaiを始めたきっかけがPANDORA BOXXXだったこともあり、あの時の熱と興奮を今のmaimaiでも作っていきたい!という野望が乗っかった企画でもありました。結果的に僕らの想像した以上の情熱を見せつけてもらえて、本当に嬉しかったです。
すぐに、とは全然言えないんですが今後も隙をみていろいろなことを仕掛けていきたいと思っているので、引き続きお付き合いいただけると幸いです。ありがとうございました!
『sasakure.UKちほー』『TJ.hangneilちほー』および、今回の『project raputa』イベントは、
2024年3月20日(水)まで開催中!ぜひプレイしてみてくださいね!
【12/9(土)「sasakure.UKちほー」オープン!】のおしらせはコチラ!
【12/9(土)「TJ.hangneilちほー」オープン!】のおしらせはコチラ!
【12/9(土)「月面ちほー」「裏 月面ちほー」オープン!】のおしらせはコチラ!
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